■ 天才イチローだって3割しか当たらないのに
先日読んだ本の中に、あの天才といわれるイチローだって3割バッター、残り7割は失敗する、でも、世の中の多くの経営者は、自分のことはすべて成功する、10割バッターだと思って経営に当たっている人が多過ぎると書いてありました。
その本は『貧乏社長の法則』(杉崎仁志著 長崎出版)という本ですが、著者の杉崎氏は、若くして起業するのですが、まもなく何億もの負債を抱え倒産。その後再度起業し、いまは成功しているという波乱万丈の経営者です。
世の中、成功することばかりではないことくらい、誰でもわかっています。でも、起業する多くの経営者は、過去の経験から、自分は10割成功すると考えがちです。例えば、顧客獲得ためにチラシをうつ、でも客は来ない、「こんなに、いろいろ考えながらやったのになぜだ!」これなんかも、自分の考えは10割成功すると思うから生じる考えです。
経営者が、もっとも大切にしないといけないのは「成功すること」。そのためには、どうすればよいか、それは「失敗をしないこと」だと杉崎氏は言います。でも、失敗を恐れて何もしなければ、失敗もすることないかも知れませんが、成功することもありません。それでは、起業した意味はないに等しいことになります。
では、どうするか、その極意が先ほどの、天才イチローも3割バッターだということです。思い通りには、3割位しかならないと覚悟を決めることです。当たらないことも考え、打ち手を多く用意し、それを実行することが大切なのです。
以前、岡本吏郎氏の本に、企業は、常に7つの戦略と、戦略ごとに3つの戦術を持たないといけないと書いてありました。つまり、組織は常に、7×3=21の戦術を持ち続けることが必要ということです。天才といわれる人でも3割バッターだという、世の中の原理を前提に経営することが大切のようです。
「患者を増やそうと思うので、パンフレット作ろうと思います。」
「インプラント中心の歯科医院を作って行こうと思います」
××医院は「パンフレット(だけ)で集客できたとか、○○先生はインプラント(だけ)で思い通りの経営をしている、ように見えることもあるかも知れません。しかし、成功の裏には、失敗したこともある、21の戦術があるものなのです。
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>(*^_^*)b < 編集後記 ♪♪♪
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大阪 エキスポランドのジェットコースター事故は、大変痛ましい事故でした。乗っていた人だけでなく、目撃した人も病院に運ばれるなど、現場は悲惨な状態であったことがうかがい知れます。ただ、事故を受けての会社側のコメントにはただ驚くばかりです。法律上決められていた点検、検査も「そんなことは知らなかった」「検査は、忙しい時期を過ぎて、実施する予定だった」
機械は壊れて当たり前、だから、部品は壊れる前に替えておかないといけない。でも、エキスポランドのコメントでは、電球の球が切れたら交換するようなイメージがあります。先手、先手に手を打つことの重要性を教えてくれた大惨事だったのではないでしょうか。
坪島秀樹 拝