■ 知っておくと少し安心 人格障害の知識
「○○さんがいるのなら、私たち全員辞めます。」
「先生はわからないのかも知れませんが、○○さん、先生の前での態度と私たちの中での態度、全然違うんです。」
こんなこと、スタッフから言われたことないですか?先日もあるスタッフについてこんな相談を受けました。そのスタッフは、院長の前では従順なのに、スタッフルームになると、横柄になり、言わなくてもいい嫌味を平気で話す、しかも、本人には相手を傷つけているなんて意識がありませんから、悪びれる様子もない、こんなスタッフがひとりでもいると、スタッフ間のチームワークはグチャグチャです。
「先生、そのスタッフ、演技性人格障害だと思います。解決するには、かなりむずかしいとおもいます。」
これが、私の判断でした。“演技性人格障害”まさか、あのスタッフに限ってそんな事はないし、それに、そんな人物が当院にいるなんて信じられない、これが院長の思いでした。さらに、人格障害とそんなに簡単にいって、そのスタッフにレッテルを貼るのは、経営者としてするべきではないとも言われました。
もしかすると、このスタッフは完全な人格障害者ではないのかもしれません。でも、“人格障害っぽい”のは事実です。人格障害というのは、精神科や神経内科で使う病名ですから、使うには慎重にならざるを得ないでしょう。
でも、先ほどケースを「何かいやなことでもあったのだろう」とか「他のスタッフも、うまく振舞えばいいのに」とか「時間がそのうち解決してくれるだろう」などと待っていても何も解決しないのです。
「その人はそんな性格なんだから」と言うことがあります。人格障害は性格と違い、人を不快にしたり、危害を加えるなど、ほどよさ加減がありません。人格障害は、その特徴から5つ分類されます。
・境界性人格障害・・・自分を無価値と思い、できれば自分を消し去りたいと思う ネットで集団自殺を呼びかけ、それに呼応する人たちが代表的
・演技性人格障害・・・本当の自分を見せない 全く違う自分を演技して振舞って見せる 恋人を振り回す
・回避性人格障害・・・攻撃や傷つけられることに敏感で、不安や葛藤を極力避けようとする ひきこもり
・反社会性人格障害・・・不安を感じにくく血沸き肉踊る このことを心地よいと思う ヤクザ等など
・自己愛性人格障害・・・過剰な自身家 悪質クレーマー
この中で最近多いのが、自己愛性人格障害者です。最近、セラピーとスピリチュアルがもてはやされています。これなどは、自己の精神的な満足を求めようと、世の中が自己愛の充足を求めようとするからなのです。だから、自己愛性人格障害者が増えてきているのです。
自己愛性人格障害者には、以下のような特徴があります。
・自分は特別重要な人物だと思っている
・過剰な賞賛を要求する
・特権意識を持っている。自分は、当然優遇されるものだと信じている
・他人に嫉妬する。逆に他人が自分をねたんでいると思い込んでいる
・自分の目的を達成するためには相手を不当に利用しようとしている
・他人の気持ちや欲求を理解しようとせず、気づこうともしない
これらは、まさにクレーマーの特徴とも一致するのですが、自己愛性人格障害者には、経営者、教師、医師などがなりやすいといわれます。それは、少しでも上を目指そうとするとか、“先生”といわれて特権を得たような気になってしまうところに理由があるようです。
何せ、100人中4人が人格障害者といわれる今日です。「あの人、人格障害かも知れない・・・」と考える思考軸を一つ持つと、強烈なクレーマーや、問題を常に起こしてくるスタッフ等の理解がより深まることになると思います。
★**☆★**☆★**☆★**☆★**☆★**☆★**☆★**☆★**☆★**☆
┌──────────────────┐
>(*^_^*)b < 編集後記 ♪♪♪
└──────────────────┘
デンタルショーに行ってきました。盛況でしたね。行かれた先生方に聞くと、滅菌機器には必ず足を運ばれているようでした。時節柄なのでしょうか。
会場には、先生だけでなくスタッフも多く来場していました。数年に1度のデンタルショーですから、医院全員でなくても、チーフだけでも一緒に来場する又はできるような歯科医院にはなりたいですね。